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うつ病 こころとからだ

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うつ病の症状は気分の落ち込みやからだの重さやつらさなどからあらわれることがあります。 本来の自分を取り戻すために、できることから始めてみませんか。

うつ病について知る

うつ病のからだの症状

監修:一般社団法人日本うつ病センター 顧問 
長崎大学 名誉教授 
医療法人五省会出島診療所 所長 
中根 允文 先生

さまざまな「からだの症状」

知っていますか? 体の不調がサインとなることも

うつ病では抑うつ症状のほかに、体調に変化が出ることもあります。例えば「なかなか寝つけない」「早朝に目が覚めてしまう」といった睡眠障害、食欲の減退、体の痛みやしびれ、頭痛、吐き気、口の渇き、女性では月経異常など、さまざまな症状を訴える人がいます。
こうした症状を医学的に「身体症状」と呼びます。体調不良から内科を受診したものの原因がわからず、精神科や心療内科を紹介され、うつ病と診断される場合が多いようです。
もちろん、これらの症状の原因がすべてうつ病という訳ではありません。
ただ、うつ病は気分の落ち込みだけでなく、思いもよらない体の不調がサインとなることを知っておきましょう。

主な身体症状 睡眠障害 疲労・倦怠感 食欲減退 頭痛 吐き気 肩の凝りや
背中の痛み
口渇 便秘 下痢 体重減少 体の痛みや
しびれ
月経異常

(監修:一般社団法人日本うつ病センター 顧問/長崎大学 名誉教授/出島診療所 所長 中根 允文 先生)

うつ病は「こころ」だけでなく、「からだ」にも症状があらわれることがあります。「からだ」の症状では、“眠れない”、“食欲が出ない”といった症状や“つかれがとれない”といったこともうつ病の症状であり、非常に多彩です。
また、うつ病に伴い、“からだが重い”という症状に悩まされたり、“痛み”を感じたりする場合もあります。
それぞれの症状を確認するには、下のボタンをクリックしてみてください。1-2)

<参考資料>
  • 1)日本精神神経学会(日本語版用語監修),髙橋三郎,大野裕(監訳):DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル,2014,pp. 160-165,医学書院,東京
  • 2)坂元薫:気分障害(上島国利ほか編),2008,pp. 37-45,医学書院,東京

うつ病のほとんどの人は睡眠障害があり、十分な休養がとれません

「睡眠障害」は、うつ病患者で多くみられる症状のひとつ1,2)

睡眠障害はさまざまな病気や状態によって起こることがありますが、うつ病の場合、睡眠障害のある人は82~100%と、かなり高い率であらわれます。うつ病でみられる睡眠障害は、不眠と過眠の2つに大きく分けられますが、うつ病での典型的な症状は不眠です。

不眠は自分で気づきやすい症状のため、ほかの症状があらわれる前(または気づく前)にまず、「最近眠れない」という理由で病院を訪れる人が少なくありません

「うつ病」と「不眠」のつながり3,4)

うつ病が原因で眠れない状態が続いている場合、単に寝られないだけだと思って睡眠薬だけでよくしようとしても、うつ病自体はよくならず、睡眠もよくならない可能性があります。

また、不眠があるとうつ病にかかりやすいこともわかってきました。不眠のある人はない人に比べて、うつ病になるリスクが約4倍高いという報告もあります。

このように、うつ病と不眠は強いつながりがあります。

うつ病でみられる不眠の特徴1,5)

不眠の種類としては、「なかなか寝付けない(入眠障害)」、「夜中に何度も目が覚めてしまう(中途覚醒)」、「早朝に起きてしまう(早朝覚醒)」、「眠りが浅くなる(熟眠障害)」の4つがあります。これらのうち、典型的なうつ病では、早朝覚醒の頻度が特に高いといわれています。普段よりも2時間以上早く目が覚めてしまい、再び眠ることができません。

また、うつ病になると、浅い眠りが多くなることによって、脳が休まらない状態になりやすいといわれています。

不眠の種類5)

なかなか寝付けない
(入眠障害)
夜中に何度も目が覚めてしまう
(中途覚醒)
早朝に起きてしまう
(早朝覚醒)
眠りが浅くなる
(熟眠障害)

5)より作図

不眠で朝がつらく、1日の体内リズムが崩れる1,5,6)

典型的なうつ病の場合、特に朝から午前中にかけて症状が重くなるケースがよくみられます注)。その原因の1つになっているのが不眠です。

早く目が覚める、眠った気がしないなどの症状があると、以前と比べてからだや脳の疲れがとれない状態のまま朝を迎えることになります。すると、からだが重い、だるいと感じるようになります。つまり、うつ病では本来の体内リズムが崩れた状態になってしまうのです

注)人によっては夕方に症状が重くなることもあります。

「不眠」ではなく、「過眠」になることも1,5)

「睡眠障害」=「不眠」と考えている人がほとんどですが、うつ病で過眠になることもあります。どんなに眠っても疲れがとれず、いくらでも寝てしまう、といった状態です。少なくとも1か月間、日中に過剰な眠気または実際に眠り込むことが毎日のように繰り返してみられる場合に過眠とされます。過眠は一般的に、うつ病に比べて双極性障害(躁うつ病)で起こりやすいといわれています。

<参考資料>
  • 1)坂元薫:気分障害(上島国利ほか編),2008,pp. 37-45,医学書院,東京
  • 2)日本精神神経学会(日本語版用語監修),髙橋三郎,大野裕(監訳):DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル,2014,pp. 160-167,医学書院,東京
  • 3)厚生労働省健康局:健康づくりのための睡眠指針2014(平成26年3月)
  • 4)Breslau, N. et al.: Biol. Psychiatry, 1996, 39(6), 411
  • 5)本多裕:睡眠障害の基礎知識 Ⅰ. 睡眠異常 http://jssr.jp/kiso/syogai/syogai.html [2016年7月2日アクセス]
  • 6)石丸昌彦ほか:新訂 精神医学特論, 2016, pp.64-67, 一般財団法人 放送大学教育振興会, 東京

好きな食べ物も食べる気にならない「食欲の減退」

食欲の変化は2通り1,2)

多くのうつ病患者さんは、以前とくらべて食欲が変化するといわれています。食べたくなくなる(食欲の減退)、たくさん食べたくなる(食欲の増加)の2通りがありますが、よくみられるのは食欲の減退です。

食欲が落ちるうつ病患者さんは多い
無理して食べてもおいしくない2)

うつ病患者さんの53~94%に食欲の減退があるといわれています。食欲がなくなっても無理をして食べている人もいるのですが、そのように食べても味気がなく、おいしいと感じられません。「砂をかんでいるよう」と話すうつ病患者さんがいるくらいです。また、食べることそのものが苦しいと感じてしまうこともあります。

食欲が増加してしまうこともある2)

食欲が増加してしまうこともあります。この場合、甘いお菓子や炭水化物など、ある食べ物だけをたくさん食べてしまうことがあるのですが、食べても食べても満腹感が得られません。食べ過ぎてしまうため、太ってしまうことがあります。

<参考資料>
  • 1)日本精神神経学会(日本語版用語監修),髙橋三郎,大野裕(監訳):DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル,2014,pp. 160-165,医学書院,東京
  • 2)坂元薫:気分障害(上島国利ほか編),2008,pp. 37-45,医学書院,東京

うつ病の人によくあらわれる「疲労感・倦怠感」

疲れやだるさは、うつ病患者の半数以上でみられる症状1,2)

うつ病であらわれるさまざまな“からだの症状”のうち、「疲労感・倦怠感」は、睡眠障害に次いで、よくみられる症状です。これまでの報告によると、うつ病の半数以上(54~92%)の人に「疲労感・倦怠感」があらわれることが知られています。

最初に「疲れがとれない」、「からだがだるい」といった理由で医療機関を受診して、その後うつ病と診断される人もいます。

私たちは日常、精神的あるいは肉体的な疲れが生じる状況に置かれていますが、つらいことがあっても、からだのバランスをとれるようになっています。しかし、うつ病の人では、疲れるようなことはしていないのにとても疲れたり、疲れが続いて最低限の仕事さえ努力をしないとできなくなることがあります。

「疲労感・倦怠感」があると、
ちょっとした日常動作がしんどく感じることも1)

うつ病患者さんは、たとえば、朝、顔を洗ったり、寝巻きから着替えたりするのがしんどいなど、ちょっと動いただけでも疲れが出てしまいがちです。人によっては、座っているだけでも疲れてしまい、すぐに横になりたくなります。

<参考資料>
  • 1)日本精神神経学会(日本語版用語監修),髙橋三郎,大野裕(監訳):DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル,2014,pp. 160-167,医学書院,東京
  • 2)坂元薫:気分障害(上島国利ほか編),2008,pp. 37-45,医学書院,東京

「動悸・息苦しさ・口が渇く」などの症状は、うつ病が原因のことも

動悸・息苦しさ・口が渇くといった症状は、原因がわかりづらい1,2)

うつ病の“からだの症状”には、睡眠障害、食欲の減退、疲労感・倦怠感といった症状のほかにも、動悸・息苦しさ・口が渇くなど、一見うつ病とは関係のないような症状があらわれることがあります。

このような症状があらわれた場合、原因がわからずに、最初に内科を受診する人が少なくありません。

もちろん、うつ病以外の病気が原因となっている可能性があるため、自己判断は禁物です。早めに医療機関を受診して、症状をすべて医師に伝えるようにすることが大切です。

うつ病では、さまざまな自律神経症状がしばしばみられる1)

うつ病の人にあらわれる動悸・息苦しさ・口が渇くといった症状の原因が、自律神経の乱れによるもの(自律神経症状)である場合があります。

自律神経は、からだ中を張り巡っている神経で、ほとんどすべての臓器を調整しています。臓器自体に異常がなくても、それを調整する自律神経のはたらきに問題があれば、さまざまな症状があらわれる可能性があります。

自律神経の乱れによる症状は、人によってさまざま1)

うつ病になって自律神経が乱れることが原因であらわれる症状として、たとえば、めまい、頻脈、血圧の変化、胸の圧迫感、胃の不快感、腹部膨満感、便秘などがあります。

高齢者のうつ病の場合、便秘になることが多いといわれています。便秘の状態が続いていると、うつ病の「抑うつ気分」がさらに悪化してしまうこともあるため、このような症状も含めて医師に相談することが大切です。

うつ病であらわれる自律神経症状の例1)

図:うつ病であらわれる自律神経症状の例

1)より作図

<参考資料>
  • 1)坂元薫:気分障害(上島国利ほか編),2008,pp. 37-45,医学書院,東京
  • 2)三木治:心身医学, 2002, 42(9), 585

うつ病にともなう「からだの痛み」とは?

うつ病にともなう「からだの痛み」とは?

あらわれる部位、程度はさまざま1-6)

頭が痛い・重い、首筋や肩がこる、背中や胸が痛い、
関節が痛い…

うつ病の症状はさまざまで、こころだけではなく“からだの症状”があらわれることがあり、「からだの痛み」もうつ病にともなうことがあります。

うつ病にともなう「からだの痛み」とは?

頭が痛い・重い、首筋がこるなどは、うつ病でなくてもあらわれますから、これらの症状がみられる場合は、医師に症状を詳しく話して、他の病気が隠れていないか確認する必要があります。
しかし、症状が長く続いているのに検査をしても異常がなく、抑うつ気分や興味または喜びの喪失などの“こころの症状”とともに、からだの重さや痛みがあらわれている場合は、うつ病にともなう「からだの痛み」である可能性も考えられます。

うつ病にともなう「からだの痛み」が実際にあらわれる部位や程度はさまざまですが、うつ病患者さんではうつ病がない健康な人よりも頭の内部の痛みが多く、痛みの程度も強かったという報告もあります。

<参考資料>
  • 1)日本精神神経学会(日本語版用語監修),髙橋三郎,大野裕(監訳):DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル,2014,pp. 160-165,医学書院,東京
  • 2)坂元薫:気分障害(上島国利ほか編),2008,pp. 37-45,医学書院,東京
  • 3)野村総一郎ほか,標準精神医学,2012,pp.311-313,医学書院,東京
  • 4)Bair, M. J. et al.: Arch. Intern. Med., 2003, 163(20), 2433
  • 5)Lee, P. et al.: J. Clin. Psychiatry, 2009, 70(1), 83
  • 6)Kishi, M. Iwata, N. et al.: Compr. Psychiatry, 2015, May;59:91-7. doi:10.1016/j.comppsych.2015.02.004. Epub 2015 Feb 17

うつ病にともなう「からだの痛み」の影響

毎日の生活に困難を感じることも1)

うつ病を治療することで、さまざまな症状をとりのぞき、もとの生活に戻ることをめざしますが、うつ病にともなう「からだの痛み」を抱えていると、痛み自体がつらいだけでなく、毎日の生活にも支障をきたしかねません。

ある調査では、うつ病にともなう「からだの痛み」の強さと、生活の質(QOL)の低下および家庭や職場での活動困難との間に、弱い相関関係がみられました。

うつ病の治療では“こころの症状”だけではなく、「からだの痛み」などの“からだの症状”にも注目していくことが重要であると考えられています。

<参考資料>
  • 1)Vietri, J., Otsubo, T. et al.: Neuropsychiatr. Dis. Treat., 2015 Mar13, 11, 675-83, doi: 10.2147/NDT.S71768. eCollection 2015
    本試験は塩野義製薬、日本イーライリリー及びイーライリリー・アンド・カンパニーの支援により行われました

うつ病と「からだの痛み」との関連とは?

うつ病にともなう「からだの痛み」と神経伝達物質1-3)

うつ病では、セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンといった神経伝達物質の量が減少したり、働きが低下してくることで、さまざまなうつ病の症状があらわれるのではないかといわれています。

そして、セロトニンやノルアドレナリンには、痛みを抑える働きがあるとも考えられています。そのため、これらの神経伝達物質が不足した状態になるうつ病では、「からだの痛み」が抑えにくくなっているのではないかとされています。

「からだの痛み」を感じている人の割合を調査した日本の研究によると、うつ病患者さんでは約60%、うつ病でない健康な人の集団では約40%が、“少なくとも体のどこか一カ所が痛い”という状態であったという結果であり、うつ病患者さんの方が「からだの痛み」を抱えている割合が高いことが報告されています。

<参考資料>
  • 1)仙波純一ほか監修:精神薬理学エセンシャルズ-神経科学的基礎と応用-第3版,2010,pp. 495-516,メディカル・サイエンス・インターナショナル,2010
  • 2)Stahl, S. M. : J. Clin. Psychiatry, 2002, 63(5), 382
  • 3)Kishi, M. Iwata, N. et al.: Compr. Psychiatry, 2015, May;59:91-7. doi:10.1016/j.comppsych.2015.02.004. Epub 2015 Feb 17
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