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うつ病の症状は気分の落ち込みやからだの重さやつらさなどからあらわれることがあります。 本来の自分を取り戻すために、できることから始めてみませんか。

うつ病について知る

うつ病の影響

監修:一般社団法人日本うつ病センター 顧問 
長崎大学 名誉教授 
医療法人五省会出島診療所 所長 
中根 允文 先生

なぜうつ病はエネルギーが出ないの?

うつ病になると「力が全然わいてこない」と患者さんはよく訴えます。また、天気でいうと「どんよりとした曇り」とも表現されます。そうした心の内をあらわす表現は、実は的を射ているのです。健康なとき、私たちは意欲や感情を、行動や表情などで外にあらわします。こうした「気持ち」→「エネルギー」に変換することが、うつ病では難しいのです。ここでは、心から脳内のエネルギー変換のヒミツに迫ります。

さまざまな症状から始まるうつ病

うつ病の症状は、風邪や腹痛などの病気と違ってとても広範囲にわたります。患者さんの訴えが「気分が落ち込み、ひどく憂うつになる」というものだけなら、診断もとてもわかりやすいのですが、「早朝に目が覚めるのに夜寝られない」とか、「食欲や性欲がない」、なかには、頭痛、歯痛や胃痛など「痛み」を最初に訴える患者さんも少なくありません。

さまざまな症状の原因を探っているうち、専門医への受診が遅くなり、結果としてうつ病と診断されるまでに時間がかかってしまうことも多くあります。原因不明のこうした症状が出たときは、最近の生活状態や、身近な人の死亡や離婚、転居などの人生における大きなイベント、ショックな出来事、過剰なストレスがないかなども含めて、医師に相談しましょう。

うつ病をダムに例えると...

うつ病はよくダムの話に例えられます。順調に生活を送っているときはダムには心理的エネルギー、すなわち水が満々とたたえられていて、ダムにある発電所も活発に動き、感情や活動のエネルギーもたくさん得られて、行動力にあふれ、表情も豊かな生活をしています。

しかしいったん過剰なストレスを受けたり、過労などさまざまな要因で心理的エネルギーが減っていき、いわばダムの水が少なくなっている状態になると、発電所のタービンも回らず、エネルギーを取り出すことができません。表情もほとんどなく、ずっと家に籠ったきりということもあります。うつ病とは、まさにこのような状態なのです。

うつ病の治療は少しずつ根気よく

うつ病のとき、脳では心理的エネルギーを取り出すはたらきが悪くなっています。ダムの水はだんだんと少なくなっていき、ついには発電が止まってしまいます。そのため、脳は「これは大変だ!」とさまざまなサインを、症状という形で私たちに送ってきます。そのサインである症状を見逃さないようにすることが大切です。

そして、脳が発信してくれた症状の改善をはかりながら、ダムの水を増やしていくためには、休養と薬物療法などによる治療が必要になってきます。しかし、いったん減ってしまったダムの水を増やしていくのはなかなか容易ではありません。この治療には根気と調節が必要なのです。

うつ病と睡眠の関係

うつ病と切っても切り離せない問題に、「睡眠」があります

うつ病になると、「寝ようとしても眠れない」「朝早くに目が覚める」などの症状があらわれるようになります。睡眠不足が原因で、日中はぼーっとして仕事が手につかずにミスを重ねたり、疲れがたまってイライラがつのるなど、睡眠の問題はうつ病の患者さんにとって大きな問題となります。

特に朝早く目が覚める場合、ただ単に睡眠不足になるだけでなく、起きてから活動を始めるまでの間ずっと自分を責めたり、悲観的な考えが頭から離れずに気分がめいってしまい、うつ病の悪化につながりがちです。「ぐっすり寝た」という実感を得て生活の質を向上させるためにも、抗うつ薬とともに睡眠薬を服用することは効果があるとされています。
また、寝つきをよくするためにと飲酒をすると、抗うつ薬や睡眠薬のはたらきに影響を及ぼします。薬を服用しても睡眠に問題があるときはその量について医師に相談し、睡眠リズムを整えるようにしましょう。

休養中には、睡眠にも工夫をしましょう

うつ病で仕事を休んだり、家事から離れている患者さんにとって、思い切って「何もしないで休むこと」はとても重要です。ただ、1日中ずっと布団の中で過ごしているような生活が続くと、外出のきっかけをつかめなくなるほか、会社への復帰も難しい状況となってきます。そのような状況が更に抑うつ状態を強める原因となる場合もあるため、睡眠は「ただ眠ればいい」ということではなく、「質のよい睡眠を得る」と考えることが大事でしょう。

質のよい睡眠を得るためには、起きる時間を毎日固定する、昼間はできることから始めて少しでも体を動かすことなどを心がけ、昼間の活動で疲れたから夜は眠れるようになるといった睡眠のリズムができるのが理想的です。

夜、疲れ果てて眠れるようにと、自分に外出を無理強いする必要はありません。家の中で短時間掃除や読書をするだけでも、日中の活動量を増やすきっかけとなるでしょう。
次の回復へのステップへとつながるのです。

休養中は、好きなだけ寝ていてもいいものでしょうか?

休養は大事ですが、徐々に生活のリズムを整えることも考えましょう。朝は決まった時間に起きて布団をたたみ、外出の用事がなくても服を着替えるなどの習慣をつけることで、睡眠中心の生活から抜け出すきっかけをつかみましょう。

うつ病と自殺の関係

うつ病と自殺には、深い関係があります

米国精神医学会が作成したDSM-5には、うつ病の診断基準の一つとして「死について繰り返し考える」という項目が挙げられています。また、内閣府の発表によると、自殺の原因が健康問題であった人のうち、うつ病は42.1%を占めていたと報告されています。つまり、うつ病は死に関わる問題なのです。

同時に、「自殺は、うつ病の症状の一つである」と考えることもできます。うつ病の患者さんから自殺を考えていると打ち明けられると、家族や周囲の人はびっくりするでしょう。対応に困って「何をばかなことを」「どうせ口だけだろう」などと突き放してしまうかもしれません。

しかしそうした対応では患者さんもそれ以上、悩みや苦痛を周囲の人に打ち明けにくくなってしまいます。まずはあわてずに患者さんの話に耳をかたむけ、本人への理解を示すようにしましょう。

自殺の原因と健康問題

内閣府:平成26年中における自殺の状況より作成

うつ病の患者さんが発するサインに目を向けて

うつ病の患者さんは、実際に自殺を実行する前に、さまざまなサインを発することがあります。家族など周囲の人は、そうしたサインに気づくことで、自殺を未然に防ぐことも可能となります。自殺とひとくちにいっても、段階があります。

まだ危険性が低い段階では、患者さんはよく「消えてしまいたい」「車にでもはねられたら楽になるだろう」といった言葉を口にします。これは希死念慮といって、自殺を考えることはあってもすぐに行動に移る段階ではありません。この時点で家族や周囲の人は自殺のサインをするどくキャッチし、患者さんと向きあい、話を聞くことが重要です。

更に段階が進むと、患者さんは実際に死をのぞみ、具体的な自殺の手段や場所など細かいことまで考えるようになります。

特に自殺をしようとする患者さんの直前の傾向として、突然の不安やイライラがあらわれるとされています。そのような変化があらわれたあと、急に明るくふるまったり、身辺整理を始めたりするなどの異常な行動がみられるときには、ためらわずに医療機関を受診させましょう。患者さんが応じないときには、救急車を手配するなどの対応も必要となります。

自殺を防止するための手だてはありますか?

うつ病の患者さんからアルコールを遠ざけることは、自殺防止に大きな役割を果たします。「酔い」は患者さんの持つ判断力を弱めさせ、行動をコントロールする力を奪ってしまいます。酔っ払った状態から自殺をはかる人も少なくないのです。アルコールが自殺行動に及ぶことを促進しているといっても過言ではありません。

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