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うつ病 こころとからだ

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うつ病の症状は気分の落ち込みやからだの重さやつらさなどがあらわれることがあります。

うつ病について知る

うつ病のこころの症状

監修:一般社団法人日本うつ病センター 顧問 
長崎大学 名誉教授 
医療法人五省会出島診療所 所長 
中根 允文 先生

さまざまな「こころの症状」

こんな症状があらわれたら、要注意です

うつ病の主な症状として、まずは「強い憂うつ感」が挙げられます。これを医学的に「抑うつ症状」といいます。
「むなしい」「気がめいる」といった感情は誰もが経験しますが、このような気持ちはたいてい原因となる出来事があります。
そのため、その出来事が消え去ったり、解決する方法が見つかったりすると症状はおさまるものです。
ところがうつ病の場合は、原因がわかっても1週間、2週間と抑うつ症状が続き、患者さんはとても苦しい思いをします。
気分の落ち込みとともに意欲も低下し、「外出がおっくうだ」「家事をしたくない」「身だしなみを整えるのが面倒」などと感じるようになります。

主な抑うつ症状 何をしていても楽しくない 興味がわかない むなしい
意欲の低下 悪い方へばかり考えが及ぶ イライラ感がつのる

(監修:一般社団法人日本うつ病センター 顧問/長崎大学 名誉教授/出島診療所 所長 中根 允文 先生)

うつ病のこころの症状として有名なものは、“憂うつ”、“悲しい”などで表現される抑うつ気分です。
しかし、それ以外にも強い不安を感じたり、おっくうな感じ、集中力の低下、情報が頭に入ってこない、悪いことばかり考える、といった症状もみられることがあり、日常生活に悪影響を及ぼします。
それぞれの症状を確認するには、下のボタンをクリックしてみてください。1-2)

からだの症状はこちらからだの症状はこちら

<参考資料>
  • 1)日本精神神経学会(日本語版用語監修),髙橋三郎,大野裕(監訳):DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル,2014,pp. 160-165,医学書院,東京
  • 2)坂元薫:気分障害(上島国利ほか編),2008,pp. 37-45,医学書院,東京

「抑うつ気分」は、うつ病でよくみられる症状

「抑うつ気分」は、どんな気分?1,2)

「抑うつ気分」という言葉だけでは、それがどのような気分を示すのかよくわからないかもしれません。たとえば、「ゆううつ」、「悲しい」、「希望がない」、「気落ちする・落ち込む」といったように言いかえると、イメージがわきやすいと思います。
また、今にも泣き出したくなったり、世の中がばかばかしくなったり人によっては、うつ病による悲しみを否定したりすることもあります。さらに、うつ病の「抑うつ気分」があると怒りっぽくなるといわれています。

抑うつ気分1)

イメージしやすい言葉こんな気持ちにもなりがち
ゆううつ今にも泣き出したくなる
悲しい世の中がばかばかしくなる
希望がないうつ病の悲しみを否定する
気落ちする・落ち込む怒りっぽくなる

つらい気分の落ち込みがずっと続く1)

人はだれでも、気分に波があります。また、自分にとってがっかりするようなことが起きたとき、だれもが「抑うつ気分」を感じます。しかし、うつ病になってしまうと、「抑うつ気分」などがずっと続いてしまい、仕事や勉強ができなくなってしまうほどの状態になってしまいます。「抑うつ気分」などが続く期間は、一日中、ほぼ毎日、2週間以上がひとつの目安となっています。

症状の感じ方は一人ひとり違う1,2)

症状の感じ方は人それぞれです。「抑うつ気分」はうつ病の代表的なこころの症状ですが、こころの症状より、からだの症状を強く感じることがあります。たとえば、からだのうずき、痛み、寝られない・寝すぎてしまう、食欲が出ないなどを強く感じるのです。この場合、からだの検査をしても異常がみられないため、すぐにうつ病とわからないことがあります。

<参考資料>
  • 1)日本精神神経学会(日本語版用語監修),髙橋三郎,大野裕(監訳):DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル,2014,pp. 160-165,医学書院,東京
  • 2)安藤久美子:患者・家族からの質問に答えるためのうつ病診療 Q&A(樋口輝彦編), 2009, pp.32-33, 54-55, 日本医事新報社, 東京

うつ病では「不安症状」をともなうことも多く、他人の目にも明らかな「焦燥」があらわれることがあります

「不安・焦燥」はうつ病でよくみられる症状1,2)

うつ病というと、「抑うつ気分」ばかりに目がいきがちですが、不安を感じる、あせってイライラするという症状もよくみられます。

うつ病の人にあらわれる「不安」とは3-6)

何かに関して不安を感じることは、だれでもあるものです。一方で、うつ病の人に「不安」があると、まずじっとしていられなくなります。また、だれかと話をしているとき、患者さんは相手の話を聞いているようでいて、実は自身の心配や苦しみなどを相手に伝えるだけで、会話が堂々めぐりをしてしまう、といったこともよくみられます。

うつ病の人にあらわれる「焦燥」とは1)

また、だれでも、普段の生活の中であせったり、イライラした経験はあると思います。うつ病の場合の「焦燥」とは、静かに座っていられない、足踏みをする、手首を回す、皮膚や服その他のものを引っ張ったりこすったりする、といった症状が含まれます。このような症状は、ただ“自分は落ち着きがない”と思っているだけでなく、周りの人がみても十分わかるほどはっきりとした、重い症状の場合を指します。

あせってイライラし、段取りよく進められなくなる5)

うつ病になると、いつもなら難なくこなせることが思ったようにできなくなります。何とかしようと頭では考えるのですが、あせりばかりがつのって、イライラすることもあります。じっとしていられずソワソワと歩き回ったりもしますが、気持ちや思考(考え)が空回りしているだけで、実際には何も解決しません。たとえば、「仕事をやらなければ」と思っていても、気持ちばかりが先にいってしまって進まず、段取りも悪くなります。

「焦燥」が、さらにうつ病を悪化させることも2,5)

あせってイライラするという症状があると、何にでも敏感になり、周囲にあたってしまうことがあります。うつ病では「自分が悪い」と思いがちなので、周囲にあたった自分を責め始め、自分はダメだと思ってしまうこともあります。このような悪循環が、さらにうつ病を悪化させてしまう可能性があるのです。

「不安・焦燥」は特に高齢者で注意が必要2)

「不安・焦燥」が目立つタイプのうつ病は、特に高齢者に多いといわれています。不安・焦燥が強いと、「消えてしまいたい」と思いがちになることもあります。

<参考資料>
  • 1)日本精神神経学会(日本語版用語監修),髙橋三郎,大野裕(監訳):DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル,2014,pp. 160-167,医学書院,東京
  • 2)坂元薫:気分障害(上島国利ほか編),2008,pp. 37-45,医学書院,東京
  • 3)津田均:気分障害の診療学 初診から診療終了まで(松下正明総編集), 2004, pp.37-40, 中山書店, 東京
  • 4)西丸四方ほか:精神医学入門, 改訂25版, 2006, pp.90-93, 南山堂, 東京
  • 5)野村総一郎:内科医のためのうつ病診療, 第2版, 2008, pp.20-29, 医学書院, 東京
  • 6)安藤久美子:患者・家族からの質問に答えるためのうつ病診療 Q&A(樋口輝彦編), 2009, pp.54-55, 日本医事新報社, 東京

うつ病になると「遠くへ行きたい」、「消えてしまいたい」と思いがちです

「遠くへ行きたい・消えてしまいたい」(希死念慮)はうつ病の症状のひとつ1-3)

うつ病では、「遠くへ行きたい」、「消えてしまいたい」などと思いがちになります。つらい気分が続き、物事が思ったようにできなくなるのであせり、次第に自分を責め、こんなつらい状態から離れたい、つらさから逃れて早く楽になりたい―という気持ちの悪循環が、このような気持ちを生み出します。このような症状は、うつ病の診断基準のひとつにもなっています。

高齢者では特に注意が必要2)

高齢者のうつ病では、症状として「不安・焦燥」がみられることが多いといわれており、不安・焦燥が強いと、「消えてしまいたい」という思いにつながりやすくなります。
そのため、高齢者のうつ病でこのような症状がある人では特に、ご家族など周囲の人がずっと見守るようにするなど注意する必要があります。

周りの人はどのように対応すべき?4)

周りの人が、患者さんの「遠くへ行きたい」などの言葉を聞くと、驚いておろおろすることがあります。もし周りの人がこの症状に気づいたら、まず、患者さんの気持ちやつらさを聞いてみてください。そして、そのつらさはうつ病が原因であることをお伝えするとよいでしょう。さらに、「そんなふうに考えないで」、「私たちにはあなたが必要です」と伝えてみてください。患者さんの気持ちが変わるかもしれません。

<参考資料>
  • 1)日本精神神経学会(日本語版用語監修),髙橋三郎,大野裕(監訳):DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル,2014,pp. 160-167,医学書院,東京
  • 2)坂元薫:気分障害(上島国利ほか編),2008,pp. 37-45,医学書院,東京
  • 3)野村総一郎:内科医のためのうつ病診療, 第2版, 2008, pp.20-29, 医学書院, 東京
  • 4)佐藤真由美:患者・家族からの質問に答えるためのうつ病診療 Q&A(樋口輝彦編), 2009, pp.174-175, 日本医事新報社, 東京

やる気がでなくなる「興味または喜びの喪失」

好きだったことをしても楽しめない1,2)

「興味または喜びの喪失」は、「抑うつ気分」と並んで、うつ病でよくみられる症状です。DSM-5といううつ病の診断基準では、これら2症状のどちらか、ひとつ以上あることが、うつ病を診断するうえでの必要条件になっています。
この症状は、以前と比べて何事にも興味や関心がもてなくなってしまいます。たとえば、今まで楽しみにしていたテレビ番組をみてもつまらない、楽しくないと感じる、テレビをみる気も起きない、ゴルフが大好きで、毎日にこにこしながらゴルフクラブを磨いていたのに、今ではゴルフ場はもちろん、打ちっぱなしの練習に出かける気にすらなれない、といった様子がみられます。

ふだんの生活にも影響をおよぼす2)

この症状は、よく「興味・喜び」という言葉とともに紹介されるため、患者さんにとって好きなものに目が向きがちですが、それだけではなく、ふだんの生活にも影響をおよぼします。
女性であれば、これまでは毎日当然のようにおしゃれや化粧などをしていたのに、今ではそのようなことをする気になれずに、外出もしなくなる、といった状況になってしまうこともあります。

ごろごろしていたとしても、「なまけ」ではない2,3)

何もする気がなくなると、患者さんは家で寝ている、ごろごろしているだけになりがちです。とてもつらい思いで横になっていることが多いのですが、周りの人は「なぜこの人は何もしないのか」などと、“なまけ”と考えてしまいがちで、しかってしまうことがあります。ただ、しかることで患者さんに心理的なストレスがかかり、病気が悪くなってしまう可能性があります。「この状態はなまけているのではなく、休みが必要なときなんだ」、ととらえることがポイントです。

<参考資料>
  • 1)日本精神神経学会(日本語版用語監修),髙橋三郎,大野裕(監訳):DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル,2014,pp. 160-165,医学書院,東京
  • 2)坂元薫:気分障害(上島国利ほか編), 2008, pp.37-45, 医学書院, 東京
  • 3)佐藤真由美:患者・家族からの質問に答えるためのうつ病診療 Q&A(樋口輝彦編), 2009, pp.172-173, 日本医事新報社, 東京

うつ病になると「意欲の低下・おっくう感」がよくあらわれます

何をやるにも時間がかかってしまう1,2)

うつ病になると、意欲がわかず、いつもやっていたことをするのがおっくうになりがちです。疲れやだるさを感じることも多く、何かをするときにも普段より時間がかかるようになります。
たとえば、患者さんの残業時間が延びていた場合、それは仕事量が増えたわけではなく、集中力や仕事の能率が下がってしまっていることがあります。患者さんは「どうして仕事ができないのだろう」と感じることがあります。

日常でみられる意欲の低下・おっくう感2)

うつ病で意欲がわかないという症状は、仕事だけでなく、日常のいろいろな場面であらわれることがあります。たとえば、食事を作るのが面倒になってきた、お風呂に入りたくない、といったことです。だんだんと、何をするのも面倒でしかたなくなり、朝起きて顔を洗う、歯を磨く、着替える、といった「いつものこと」にとりかかるのもおっくうに感じるようになります。

「意欲がない」=「なまけている」と誤解されやすい2,3)

何もする気にならない症状が進むと、人と接したがらなくなります。そうなると、周りの人が気づくことも多くなるのではないでしょうか。
家族や職場の人たちがうつ病を理解していない場合、意欲がないという症状は、「なまけている」ととらえられがちです。

うつ病でみられる「意欲の低下」と、批判による病状の悪化1,2)

うつ病でみられる「意欲の低下」と、批判による病状の悪化

1,2)より作図

<参考資料>
  • 1)日本精神神経学会(日本語版用語監修),髙橋三郎,大野裕(監訳):DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル,2014,pp. 160-167,医学書院,東京
  • 2)坂元薫:気分障害(上島国利ほか編),2008,pp. 37-45,医学書院,東京
  • 3)野村総一郎:内科医のためのうつ病診療, 第2版, 2008, pp.20-29, 医学書院, 東京

典型的なうつ病では、自分を過剰に責めてしまうことがあります

うつ病になると、考え方にゆがみが生じて自分のせいだと感じてしまう1-4)

うつ病になると、だれかから頼まれたことができず「こんな自分で申し訳ない」と思ったり、いつもならできたことが思うようにできなくなって、「私なんか生きていてもしかたがない人間だ」と思ってしまうことがあります。
ただひたすらに「私が悪かった」と自分を責め、「もうどうすることもできない」と絶望感にさいなまれることもあります。
うつ病になると頭が働かない状態になりやすく、考え方や物事のとらえ方にゆがみが生じてくるため、過剰に責任を感じてしまうことがあるのです。長崎での調査では、71%の患者さんにこのような症状がある、という結果が出ています。

ちょっとした出来事を自分のせいだと考えがち1,2)

うつ病でなくても、仕事で失敗したり、責任が果たせなかったときなどに自分を責めることはあると思います。しかし、うつ病の場合、本人とは関係のない、またはとるに足らないちょっとした出来事を自分のせいだと考えてしまい、責任をより重く感じてしまいます。また、取り越し苦労が増えたり、自信をなくしたり、自分はいても仕方がないと思ったりする傾向があります。

コラム:妄想について2,3)

人によっては明らかに患者さんのせいではないことまでも「自分が悪いのだ」と考えてしまうことがあります。これは「罪業(ざいごう)妄想」「罪責(ざいせき)妄想」といわれます。
たとえば、ちょっと注意を受けたことにとらわれて「悪いことをした。警察に逮捕される」などと悔やむ、自分がとんでもない罪をおかしたのではないかと思いこむことがあります。
また、世界の貧困に対して自分に責任があると思いこむ妄想もありますし、実際は病気ではないにもかかわらず重篤な病気に罹っていると強く信じてしまうこともあります。このような妄想は、特に高齢者のうつ病に多いとされています。

<参考資料>
  • 1)日本精神神経学会(日本語版用語監修),髙橋三郎,大野裕(監訳):DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル,2014,pp. 160-167,医学書院,東京
  • 2)坂元薫:気分障害(上島国利ほか編),2008,pp. 37-45,医学書院,東京
  • 3)野村総一郎:内科医のためのうつ病診療, 第2版, 2008, pp.20-29, 医学書院, 東京
  • 4)Radford, M. Nakane, Y. et al.: The Japanese Journal of Psychiatry and Neurology 1989, 43(2), 119

うつ病になると、会話や本などの内容が頭に入ってこないことがあります

思考力や集中力が低下する1,2)

うつ病になると、会話や本などの内容が頭に入ってこないといったことを感じるかもしれません。いわゆる「頭の回転が遅くなった」ような状態です。
本を読んでいても内容が頭の中に入ってこなくなり、ただ字面を追っているだけで、内容が理解できたという実感がほとんどわかなくなります。
また、会話の内容が頭に入ってこないことで、何か質問されても返答が遅くなったり、適切な返事をすることができなくなったりもします。話し方もゆっくりになります。

決断力・記憶力が下がることも2-4)

うつ病になって思考力や集中力が低下すると、たとえば何か仕事を任されたときに「どうしよう」と焦燥感が強まり、決めようと思ってもなかなか決められません。こうして次第に仕事にも支障をきたしてしまうのです。食事の準備のために買い物に出かけても、店で何を買うか決めるのに時間がかかることもあります。
また、記憶力が低下することもあります。何を質問されたか忘れてしまったり、返事ができなかったりします。高齢者でこのような症状があると、認知症と区別がつきにくい場合もあるので注意が必要です。

うつ病の場合は、うつ病自体がよくなればこれらの症状もよくなります。
しかし、実際にうつ病と認知症を区別するのは難しいため、専門医に相談することが大切です。

<参考資料>
  • 1)日本精神神経学会(日本語版用語監修),髙橋三郎,大野裕(監訳):DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル,2014,pp. 160-167,医学書院,東京
  • 2)坂元薫:気分障害(上島国利ほか編),2008,pp. 37-45,医学書院,東京
  • 3)野村総一郎:内科医のためのうつ病診療, 第2版, 2008, pp.20-29, 医学書院, 東京
  • 4)田ヶ谷浩邦:患者・家族からの質問に答えるためのうつ病診療 Q&A(樋口輝彦編), 2009, pp.42-43, 日本医事新報社, 東京
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