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うつ病との付き合い方について知る

うつ病への支援やサポート制度

監修:一般社団法人日本うつ病センター 顧問 
長崎大学 名誉教授 
医療法人五省会出島診療所 所長 
中根 允文 先生

勤務先におけるサポート体制

うつ病の患者さんの増加は、企業にとっての問題でもあるのです

うつ病をはじめとする精神障害などに関する労災補償の状況をみると、請求件数は増加傾向にあり、平成25年度は過去最多となりました。支給が決定されたケースの具体的な出来事では、対人関係や長時間労働などが多かったことが示されています(※1)

厚生労働省は、企業が積極的に社員の心の健康を守るよう、メンタルヘルスケアに関する研修の実施や、うつ病が原因で休職していた人が職場復帰するための適切な支援をおし進めるよう促しています(※2)

うつ病はもはや、患者さん個人の問題ではなく、企業、ひいては社会全体の問題といえるでしょう。

精神障害に係る労災請求・決定件数の推移

  • 厚生労働省:平成25年度「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」

社員の心の健康を守る体制づくりが求められています

企業におけるうつ病対策では、2つの観点が重要となります。1つは、社員のうつ病発症を防止すること。もう1つは、休職していた社員が復帰するときの体制づくりです。いずれにおいても企業は、うつ病により大事な人材を失いかねないという、大きなリスクを抱えている点を理解しないといけません。

社内の体制として、まずは、うつ病を防止するために社員自身がストレスに気づけるよう啓発を行うほか、社員の勤務状況や健康状態を把握すべき上司の教育が必要とされています。そして、社員にうつ病の可能性があるときに支援を行う専門職として、カウンセラーや産業医の確保が大切です。

うつ病で休職していた社員の復帰に向けては、上司などが個別に対応するのではなく、企業として職場復帰支援プログラムを作成することが求められています。小規模な企業などで、独自にメンタルヘルスケアを実施することが難しい場合には、下の表にあるような民間のEAPサービスや、社会資源を利用することがすすめられます。

EAP
(Employee Assistance Program:従業員支援プログラム)
米国で開始された企業のためのメンタルヘルスサービス。日本では1990年代後半に導入され始め、契約する企業の社員のストレス診断やカウンセリング、メンタルヘルスの教育研修、復職支援プログラム策定などを実施している。
産業保健活動総合支援事業
独立行政法人労働者健康福祉機構が実施主体となり、地域の医師会などの協力をもとに運営されている。産業保健や労働衛生に関わるさまざまな相談を受ける地域産業保健センターと、産業保健相談員などによる、より専門的な相談の対応を行う産業保健総合支援センターがある。
うつ病の防止のために企業として配慮する点には、どのようなことがありますか?

社員の心の健康を守るためには、労働時間や仕事の量と質、ハラスメントを含む人間関係、人事労務管理体制などを把握し、問題があれば積極的に改善することが重要とされています。ほかにも仕事をする環境を整えたり、心身の疲労を回復させるための設備づくりなどが求められています。

  • ※1 厚生労働省:平成25年度「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」
  • ※2 支給決定件数は、決定件数のうち「業務上」と認定した件数である。

うつ病の治療費について

治療のゴールが見えず、経済的な不安が生じることも

うつ病の特徴として、風邪や骨折などのケガと違い、治療を始めた時点で、治療のためにどれくらいの時間を要するのか、はっきりとわからない点が挙げられます。2~3ヵ月なのか、あるいは1年、2年と長い時間が必要なのかは、患者さん個人の症状や環境によって異なってくるからです。

治療期間が明確でないことは、患者さんにとって大きな不安要素になると同時に、経済的な問題を発生させることになります。

心療内科は、心理的な要因による体の症状(心身症)を主な対象としていますが、実際には、軽いうつ病など心の病気をみている医療機関もあります。

うつ病の基本的な治療は健康保険の対象となり、窓口で支払う金額は3割負担ですみます。それでも半年、1年と治療期間が長くなるにつれ、負担感は増してきます。まして、うつ病で仕事を休んでいる間は、なるべく家計にかかる負担を軽減したいところでしょう。

治療費について、一部を公費で負担し、自己負担が軽減される制度をご紹介しましょう。

うつ病の患者さんの負担を軽減する制度があります

うつ病の患者さんの治療費を軽減する制度として、「自立支援医療制度」があります。これは、障害のある患者さんに必要な医療を確保し、継続して治療を受けられるように支援することを目的として定められたもので、うつ病などの精神疾患の患者さんも対象となります。

申請する窓口は市町村で、この制度を利用すると、医療費の自己負担額が原則として1割に減額されると同時に、所得に応じて1ヵ月あたりに支払う金額に上限が設けられます。
こうした公的な支援を活用することで、うつ病の治療に専念できる環境を整えましょう。

  • ※下記の内容は、平成26年4月現在の情報をもとに作成しています。
    条件や金額が改訂となる場合もありますので、詳しくはお住まいの地域の役所におたずねください。
自立支援医療制度を利用した場合の
自己負担の概要
一定所得以下
  • 所得水準
  • 1ヵ月あたりの
    負担額の上限
  • 生活保護世帯
  • 0円
  • 市町村民税
    非課税世帯

    本人収入が80万円以下の場合
  • 2,500円
  • 市町村民税
    非課税世帯

    本人収入が80万円を超える場合
  • 5,000円
中間所得層
  • 所得水準
  • 1ヵ月あたりの
    負担額の上限
  • 市町村民税
    (所得割)

    3.3万円未満(※1)
  • 医療保険の自己負担限度
    育成医療の経過措置置の
    場合は5,000円
  • 市町村民税
    (所得割)

    3.3万円以上23.5万円未満(※2)
  • 医療保険の自己負担限度
    育成医療の経過措置の
    場合は10,000円

※1:高額治療後継者(「重度かつ継続」)の場合は5,000円

※2:高額治療後継者(「重度かつ継続」)の場合は10,000円

一定所得以上
  • 所得水準
  • 1ヵ月あたりの
    負担額の上限
  • 市町村民税
    (所得割)

    23.5万円以上(※3)
  • 制度の対象外

※3:高額治療後継者(「重度かつ継続」)の場合は20,000円
全国社会福祉協議会:障害福祉サービスの利用について(平成26年4月版)より作成

「重度かつ継続」とはどういう状態を指すのですか?

病状が重く、継続的に医療費負担が生じる患者さんのことを指しています。こうした患者さんに対しては、たとえ一定以上の所得があっても1ヵ月あたりの負担に上限額を設定し、自己負担額の軽減をはかっています。3年以上の精神医療の経験を有する医師により、継続的な通院医療が必要であると診断され、認定を受けた人が対象となります。

精神障害者保健福祉手帳について

うつ病の患者さんは、精神障害者保健福祉手帳を申請できます

うつ病の患者さんは長期にわたる治療が必要となるため、日常生活においてさまざまな制約が生じてきます。こうした患者さんをサポートするための制度として、「精神障害者保健福祉手帳」があります。これは、うつ病など精神疾患にかかっている患者さんが一定の障害の状態にあることを証明するもので、この手帳を持っていることにより、社会におけるさまざまなサポートを受けることが可能となります。

うつ病のために経済的なハンディが生じている患者さんにとっては、社会的に自立して生活するための手助けになるといえるでしょう。

「精神障害者保健福祉手帳」には障害等級があり、手帳を申請した時点での医師の診断書などにもとづいて審査が行われ、1~3級が決定されます。

  • 1級
    日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度
  • 2級
    日常生活が著しい生活を受けるが、または日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度
  • 3級
    日常生活もしくは社会生活が制限を受けるが、または日常生活もしくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度

患者さんの社会復帰を支援する、さまざまなサービスがあります

「精神障害者保健福祉手帳」が支給されると、税制上の優遇措置をはじめ、さまざまな支援サービスを受けることができます。通院に欠かせない電車、バス、タクシーなどの運賃が対象となるほか、さまざまな公共施設の料金が割引となるサービスもあります。治療中の経済的負担を少しでも楽にするためにも、条件を満たす場合には申請を検討してみるべきでしょう。

申請にあたっては、市町村の窓口に医師の診断書などを持参し、申請書に必要事項を記入します。その際、初診時から6ヵ月を経過していることが必須条件となります。

手帳を持つことによる優遇措置
税制上の優遇措置
  • 所得税、住民税について、所得金額から障害等級に応じた額が控除される
  • 患者さんが相続した場合、税額から年齢、障害等級に応じた額が控除される
  • うつ病の治療のための通院などに使用される車について、自動車税・軽自動車税・自動車取得税が免税される(※1級で、自立支援医療制度の対象者のみ)
生活保護上の優遇措置
  • すでに生活保護を受給している患者さんで、障害等級が1級または2級で精神障害者保健福祉手帳を持っている場合、障害者加算の対象となる(※初診時から1年6ヵ月を経過している場合)
その他
  • 公共の交通機関を利用する際に無料、割引などの優遇措置がある
  • 携帯電話の基本使用料、通話料が割引となる
  • 駐車禁止規制から除外される
    (※1級で、自立支援医療制度の対象者のみ)
  • 公共の文化施設などが無料、割引となる
手帳が支給されると、会社に知られてしまうのでしょうか?

精神障害者保健福祉手帳が支給されても、役所から会社に通知が届くようなことはありません。ただし、所得税などの控除対象となるには、給与所得者の場合は会社が申告窓口となるため、年末調整時に必要事項を記入のうえ、会社に提出する必要があります。
患者さんにとっては不安が大きいかもしれませんが、個人情報保護の重要性が叫ばれる中、「会社の担当窓口に書類を提出する=うつ病で精神障害者保健福祉手帳を持っていることが会社中に知られる」と心配する必要はありません。

うつ病に関するさまざまな相談窓口について

不安、誰かに相談したい…そんな患者さんをサポートしてくれる窓口

うつ病を発症すると、薬物療法と休養によって治療に専念することが重要ですが、実際のところ、患者さんの身の回りではさまざまな問題が生じてきます。休職による経済的な不安が生じたり、同居している家族の理解が得られずに感情的なトラブルが起こったりすることもあるでしょう。

次回の通院まで不安な気持ちが抑えられず、誰かに相談したくなったり、自殺の衝動にかられてしまうこともあるかもしれません。

そんなとき、通院先の医師以外に、相談に乗ってくれる窓口があることをご存知でしょうか。「勤務先におけるサポート体制」で取り上げているサービスや社会資源のほか、さまざまな団体がうつ病の患者さんやその家族の支えとなる活動を展開しています。 ここでは主な団体についてご紹介していきましょう。

患者さんのみならず家族、そして企業を支える各種団体があります

ここでは、うつ病をはじめとする精神疾患がある患者さんやその家族、患者さんを雇用している企業に対する相談窓口を持っている団体を紹介します。

夫がうつ病で入院中ですが、退院後にどこに通院させればいいか、わかりません。

現在入院中の医療機関の精神保健福祉士に相談してみては。うつ病など心の病を抱えている人が地域の中で生活の場を確保し、社会生活を維持することをサポートする職種です。精神保健福祉士がいない場合には、MSW(メディカルソーシャルワーカー)に相談してみるとよいでしょう。

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