うつ病 こころとからだ

うつ病の症状は気分の落ち込みやからだの重さやつらさなどからあらわれることがあります。 本来の自分を取り戻すために、できることから始めてみませんか。

うつ病とのつきあい方

うつ病と自殺の関係

監修:一般社団法人日本うつ病センター 顧問/長崎大学 名誉教授/出島診療所 所長 中根 允文 先生

うつ病と自殺には、深い関係があります

米国精神医学会が作成したDSM-5には、うつ病の診断基準の一つとして「死について繰り返し考える」という項目が挙げられています。また、内閣府の発表によると、自殺の原因が健康問題であった人のうち、うつ病は42.1%を占めていたと報告されています。つまり、うつ病は死に関わる問題なのです。

同時に、「自殺は、うつ病の症状の一つである」と考えることもできます。うつ病の患者さんから自殺を考えていると打ち明けられると、家族や周囲の人はびっくりするでしょう。対応に困って「何をばかなことを」「どうせ口だけだろう」などと突き放してしまうかもしれません。

しかしそうした対応では患者さんもそれ以上、悩みや苦痛を周囲の人に打ち明けにくくなってしまいます。まずはあわてずに患者さんの話に耳をかたむけ、本人への理解を示すようにしましょう。

自殺の原因とされる精神疾患の割合 気分障害(うつ病):30.2% 物質関連障害(アルコール依存症を含む):17.6% 統合失調症:14.1% パーソナリティ障害:13.0% その他:25.1%

内閣府:平成26年中における自殺の状況より作成

うつ病の患者さんが発するサインに目を向けて

うつ病の患者さんは、実際に自殺を実行する前に、さまざまなサインを発することがあります。家族など周囲の人は、そうしたサインに気づくことで、自殺を未然に防ぐことも可能となります。自殺とひとくちにいっても、段階があります。

まだ危険性が低い段階では、患者さんはよく「消えてしまいたい」「車にでもはねられたら楽になるだろう」といった言葉を口にします。これは希死念慮といって、自殺を考えることはあってもすぐに行動に移る段階ではありません。この時点で家族や周囲の人は自殺のサインをするどくキャッチし、患者さんと向きあい、話を聞くことが重要です。

更に段階が進むと、患者さんは実際に死をのぞみ、具体的な自殺の手段や場所など細かいことまで考えるようになります。

特に自殺をしようとする患者さんの直前の傾向として、突然の不安やイライラがあらわれるとされています。そのような変化があらわれたあと、急に明るくふるまったり、身辺整理を始めたりするなどの異常な行動がみられるときには、ためらわずに医療機関を受診させましょう。患者さんが応じないときには、救急車を手配するなどの対応も必要となります。

自殺を防止するための手だてはありますか?

うつ病の患者さんからアルコールを遠ざけることは、自殺防止に大きな役割を果たします。「酔い」は患者さんの持つ判断力を弱めさせ、行動をコントロールする力を奪ってしまいます。酔っ払った状態から自殺をはかる人も少なくないのです。アルコールが自殺行動に及ぶことを促進しているといっても過言ではありません。

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