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うつ病の症状は気分の落ち込みやからだの重さやつらさなどからあらわれることがあります。 本来の自分を取り戻すために、できることから始めてみませんか。

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医師からのメッセージ ~うつ病治療で大切なこと、準備しておきたいこと~

もとの生活に戻るため、そして再発を防ぐために取り組んでおきたいこと。

医療法人社団雄仁会 メディカルケア虎ノ門 院長 五十嵐 良雄 先生

もとの生活に戻るためには、規則正しい生活を送ることから始めましょう。

◎ 生活リズムを整える
もとの生活に戻るためには、生活リズムを立て直すことが大切です。朝決まった時刻に起き、夜決まった時刻に寝るということが習慣になるようにしましょう。そうすると、お薬を飲むことも生活リズムの中に入ってきて、きちんとお薬を飲み続けることができると思います。もとの生活に戻るためには、生活リズムを整えながら、お薬をきちんと飲むこと、そして心と体の症状がすべて消えていることが望ましいと考えています。
◎ うつ病について理解する
もう1つ大切なことは、うつ病について知ること。正しい知識をもとに治療が必要な理由などを理解しましょう。そして、ご自身がなぜうつ病になったのか、ストレスの原因となった事柄についても考えてみることです。同じことが起こった場合に備え、「こんなことが起こったら、次はこう対処しよう」と行動できるまで深く理解できているとよいですね。
◎ 集団の中でコミュニケーションをとってみる
そして、集団の中に入ってコミュニケーションをとってみるということも重要です。どんな立場の方でも人と人との関わりは欠かせません。主婦の方は、近所のお付き合いやお母さん仲間との活動があるでしょうし、会社員の方は同僚や上司とコミュニケーションをとりながら仕事を進めていくと思います。たとえばボランティア活動など、何らかの集団の中に入って、活動してみることが大切です。

医師に相談しながら、もとの生活に戻る準備を進めていきましょう。

  • うつ病の治療は長くかかるという印象を持たれる方がいらっしゃるかと思います。復職しても再発を起こしてしまう方が少なくないという報告1)もあるので、そのように感じられるのかもしれません。また、うつ病の症状がなくなったことと、会社で以前のように仕事ができたり、家庭で十二分に家事がこなせるという回復のレベルは少し異なりますので、もとの生活に戻る準備をしっかり整えることが大切であると考えます。
  • 医療法人社団雄仁会 メディカルケア虎ノ門 院長 五十嵐 良雄 先生

職場に戻るだけではなく、再び休職してしまうことを防ぐために、リワークプログラムを行っている施設もあります。これは医療機関などの施設で行う、一種のリハビリテーションです。うつ病について理解したり、コミュニケーションについて学んだりしていただくことができます。プログラムについていけるか心配される方もいらっしゃいますが、スタッフがサポートしますし、同じような悩みを持たれている方とみんなで一緒に行いますので、安心してご参加いただけるしくみになっています。私の施設では、2005年にこのリワークプログラムを始めてから10年が経ちました。今では、リワークプログラムを受けたことによって、再び休職する方の割合が少なくなる2)などの実績もあげています。

なかにはリワークプログラムを実施している施設が近くにないという方もいらっしゃるかもしれません。そのような場合は、たとえばご自身で図書館に行き、そこで数時間過ごすことを続けて、生活のリズムを安定させるようにしましょう。その際には、医師に状況を報告しながら取り組んでください。
また、うつ病になったきっかけを振り返ってみるのもよいと思います。会社の人間関係や家庭のことが関わっているかもしれませんし、自己分析をするなかでご自身の課題がみつかったりするかもしれません。「こんなことが、きっかけになったのではないか」「同じようなことがあったら、次はこんなところに気をつけよう」などと、これからどうしていくことがよいか、医師と相談しながら、考えることが大切です。

五十嵐良雄:臨床精神医学、2012、41(11)、1503、改変

五十嵐良雄:臨床精神医学, 2012, 41(11), 1503, 改変

  • 1) 独立行政法人 労働政策研究・研修機構:「メンタルヘルス、私傷病などの治療と職業生活の両立支援に関する調査」調査結果,
    2013, http://www.jil.go.jp/press/documents/20130624.pdf#zoom=100(2016年4月28日アクセス)
  • 2) 大木洋子, 五十嵐良雄:産業精神保健, 2012, 20(4), 335

もとの生活に戻っても、ご自身の観察を続けていきましょう。

私は、もとの生活に戻っても、その後1年間は受診を続けていただくようにしています。春夏秋冬をとおして様々な行事があるなか、冠婚葬祭があったり、もしかしたら、お子さんの問題が起こったり、夫婦喧嘩があるかもしれません。受診を続けていただくのは、そういった出来事に問題なく対処できているか、一緒に確かめるためです。

そしてご本人には、もとの生活に戻っても、ご自分の状態を細かくチェックしていただくようにお願いしています。ストレスを感じて、少し状態がよくないなと思ったときは、その状況をきちんと記録しておくとよいですね。そして、症状が出てしまった場合は早めに受診して、医師へできるだけ正確に報告してください。

記録をとってみて、同じような場面で同じような症状が出ることがわかれば、何に注意すればよいのかも、だんだん明らかになっていくでしょう。そのように自己分析し、自分でコントロールできるようになっていくことが大事なのです。

いろいろな変化は悪いことではありません。
大切なのは、ストレスとどう折り合っていくかだと思います。

患者さんの中には病気をきっかけに生き方を変える方もいらっしゃいます。キャリアを変える、出世に対する見方を変えるなどいろいろですが、「生き方を変えて結局はよかった」「また同じ状態には戻りたくない」とおっしゃる患者さんもおり、そのような変化は決して悪いことではないと感じています。

人は、社会の中で様々な影響を受け、傷つきながらも生きていくものです。これからの人生のために、病気になったことやストレスとどう折り合っていくのかが、とても大切なのだと思います。

(ご略歴)
北海道大学医学部卒業。2003年にメディカルケア虎ノ門を開業。休職した方の復職支援に力を入れ、2008年にうつ病リワーク研究会を発足し、代表世話人を務める。
精神保健指定医、日本うつ病学会評議員、日本産業精神保健学会評議員、日本外来臨床精神医学会理事等。
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